誤ってファイルを削除しまったり、いつのまにかなくなっているファイルを復元できるソフト「EaseUS Data Recovery Wizard」を使ってみました。
EaseUS Data Recovery Wizardとは
復元ソフト
EaseUS Software Co., Ltd.が作成した復元ソフトであり、簡単な操作で削除してしまったファイルやディレクトリ(フォルダ)を復元することが可能なソフトウェアになります。
HDDやSSDで削除してしまったパーティションからも復元することができ、2020/04/26時点で最新であるVer.13.2はbitlockerのパーティションのロック解除もサポートされています。
また、2005年から15年発売されている製品なので老舗のソフトウェアであり、
何度かVectorプロレジのバックアップ・復元部門で大賞を受賞しているとのこと。
また、All AboutやDropboxでもファイル復元ソフトとして紹介されています。
無償版あり
「EaseUS Data Recovery Wizard」は復元できるファイル等の制限はないですが、無償版では500MB分のデータを復元することができ、TwitterやFacebookなどに共有すると1.5GB増量(最大2GB)分復元することができます。
復元できるデータサイズ以外は有償版と同様ですが、復元データ全て合わせて2GBとなるため、復元したいデータが2GB以上になる場合は無償版では全て復元できないため注意が必要です。
全形式のデータを復元可能
一部画像のみ復元可能といった制限がある復元ソフトも存在するが、「EaseUS Data Recovery Wizard」は全ての形式ファイルを復元することができます。
jpgやmp3はもちろん、outlookやzipファイル、exeファイルも復元可能とのこと。
無償版でも全形式のデータ復元が可能なので有難いです。
必要スペック
- OS
- Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 / Vista / XP
- Windows Server 2019 / 2016 / 2012 / 2008 / 2003
- CPU
- x86系以上
- RAM
- 128 MB以上
- ディスク容量
- 32 MB以上
RAM128、ディスク容量32MB以上と古いPCでも起動できそうですね。
無償版インストール
EaseUS Data Recovery Wizard(https://jp.easeus.com/data-recovery-software/drw-free.html)
より、無料ダウンロードを選択します。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとユーザアカウント制御が表示されるので「はい」を選択します。
「今すぐインストール」でインストールし、「今すぐ始める」を押下すると
「EaseUS Data Recovery Wizard」が表示されます。
復元
表示画面
「EaseUS Data Recovery Wizard」は下記のような画面になります。
GUIなので直感で操作できますね。
また、ドライブごとの選択だけでなく場所の指定もできるようです。
一覧に表示されていないHDDやSSD等は「?場所が見つかりません」でしたから探すことも可能です。
【実証】USB内のデータを削除
データの復元が可能なのか、SDカードのデータを実際に消してみました。
Gドライブ(USB)に保存されているおの桜づつみ回廊で撮ってきた写真を削除します。
Shiftキー押しながらdeleteボタンでゴミ箱経由せずに削除できます。
アラートダイアログも「これらの**個の項目を完全に削除しますか?」と表示されます。
EaseUS Data Recovery Wizardを更新するとローカルディスク(G:)のデータサイズが3.37GB⇒3.74GBに空き容量が増えてました。
【実証】スキャンで復元したいファイル情報を取得
復元したいドライブ付近にマウスを近づけると「スキャン」と表示されるので、それをクリックします。
クイックスキャンはすぐに終わり、高度なスキャンはかなり時間かかります。
4GBのSDカードで試したところ、クイックスキャンは1秒以内、高度なスキャンは約5分くらいでした。
クイックスキャンにある削除されたファイルを見ると、先ほど削除したファイル情報が表示されました。
【実証】ファイル復元
今回はクイックスキャンで見つかったデータから抽出します。
抽出したいファイルを選び、リカバリーボタンを押下します。
保存先を選び、OKを押します。
※保存先ダイアログにも注意書きに記載されていますが、復元元と同じドライブに保存するとデータが消失する可能性があるので注意です。
OKを押下するとリカバリー作業が始まります。
リカバリーが完了すると先ほど指定したフォルダが自動で開き、中身を確認することができます。
今回は全画像が復元できました。
EaseUS Data Recovery Wizardを見ると、復元完了と復元可能な容量が表示されていました。
スキャン結果を保存することも可能
EaseUS Data Recovery Wizardの左上にある⌂ボタンを押下することでスキャン結果を保存することができるようです。
スキャン結果を読み出したい場合は右上にある「スキャン結果を読み込む」から呼び出すことができます。
無償版は最大2GBまで復元可能
インストール時で500MB、SNS共有で2GB
EaseUS Data Recovery Wizardはインストール時は500MB分まで復元可能です。
復元対象のデータサイズが小さい場合は500MBでも十分なサイズのため、問題ないですが、大量データ復元や動画ファイルの復元をしたい場合は500MBで足りない場合があると思います。
その場合、SNS共有することで2GBまで復元可能になります。
FacebookとTwitterどちらかで共有可能です。
Twitterで共有
今回はTwitterで共有してみました。
【無償】復元可能容量確認の確認方法
Twitterで共有したのはいいが、無償枠であとどれくらい容量が残っているのか確認するには、1度ファイルを復元しないといけないのが残念なところ。
できるだけ無償で復元できる容量を減らさずに確認したい場合は、数バイトのtxtデータを作成・削除し、EaseUS Data Recovery Wizardで復元すれば確認できる。
※0バイトのファイルは一覧に表示されないので注意です。
復元後のダイアログを確認すると、きちんと無償で復元可能な容量が1.5GB分増えていました。
無償枠(容量)超えた場合
リカバリー(復元)中に無償容量分を使い切った場合、アップグレートのダイアログが表示されます。
無償容量分を使い切ってしまったので、有償版に切り替えるか、復元しないかの2択になります。
復元を選ぶとPro版(有償版)購入ダイアログが表示されます。
有償版を購入するのか、他製品使うのかはここで考えてもよさそうです。
注意点
実際にEaseUS Data Recovery Wizard(無償版)を使ってみて、注意点がいくつかあります。
無償版はリカバリしたデータ容量で計算される
無償版は最大2GBまでファイルデータの復元が可能ですが、復元サイズでカウントされるので注意してください。
例)Aファイル(300MB)を3回復元・・・900MB分復元したことになります。
無償容量分超えるとそれ以降のデータは復元されない
無償容量分を超過すると復元処理がストップし、有償版購入のダイアログが表示されます。
そのため、復元したいデータに優先順位がある場合は、優先度が高いデータを先に復元したほうがよさそうです。
HDD・SD容量が大きいほど、スキャンに時間がかかる
クイックスキャンの場合は比較的早く確認できますが、ディスク内のデータを全て確認するため、高度なスキャンはかなり時間がかかります。
2TBHDDの場合、高度なスキャンが完了するまで半日以上かかる場合もあるので注意です。
復元は100%成功とは限らない。
復元ソフトでファイルを復元することができますが、必ずしも100%ではないです。
時間が経つほど復元ができなくなる
データを削除した場合は簡易フォーマットをしただけの場合、管理情報を消しているだけのため、実データは残っていることが多いです。
そのため、実データからファイルを復元することが可能になります。
しかし、Aファイルは削除されているため、他ファイルの登録が発生すると、Aデータの場所に上書きされる場合があります。
そのため、時間が経つほど他データに上書きされ、データが復旧できなくなります。
SSDの場合はTRIM機能があると成功率がかなり下がる
SSDはTRIMといわれる削除されたデータを自動的に開放・最適化する仕組みがあり、TRIM機能実行後のファイル復元の成功率はかなり低下しますので注意です。
本来はSSDのパフォーマンスを上げるために使うものなので有効にしとくのがいいのですが、復元する際はTRIM機能を無効にしてから復元したほうがいいです。(復元中にTRIM機能実行されたら目も当てられませんしね)
完全削除ツールを使用した場合も復元困難
実データを書き換えるタイプのファイル削除ツールを使用した場合も復元はかなり難しくなります。
例えばNSA方式で完全削除されたHDDのデータを復元することはほぼできないです。
物理破損についてはどうしようもない
EaseUs が掲載しているおすすめの無料データ復元ソフトの記事に
また、データ復元ソフトで対処できるのは、あくまでも論理的な原因による紛失されたデータの復元です。
と記載されているとおり、論理的なデータの復元は可能ですが、大量の不良セクタやHDDヘッダ異常など物理的な要因が原因の場合は復元ソフトでは対応できないので業者依頼のみになります。
最後に
まずは無償版で試してみて
最大2GBまでという条件つきますが、無償版でも十分使えるものだと思います。
また、無償版でもスキャンで復元できるファイル情報は取得できるので復元したいファイルを確認し、無償版で試したうえで有償版に切り替えるか他製品にするのか検討してみてはいかがでしょうか。
EaseUS Data Recovery Wizardのダウンロードはこちら